出版 落ちないESの書き方

目次

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具体例を見てみよう!

出版業界を志望した理由

 ・「本が好き」では理由にならない!

 ・「今までの自分の人生」と「出版を志望する理由」がつながっているか?

 落ちるES 

小学生の頃から本を読むことが好きだった。

自分で本を企画し、宣伝して、たくさんの人に読んでもらいたい。

× 本が好きだから、ということしか書いてない。

× 本を読むのが好きなのは伝わるが「なぜ作る側になりたいのか」がわからない。

× 「自分で本を企画し、宣伝して、たくさんの人に読んでもらいたい」は、

  一見まともに見えるが、出版業という仕事内容の説明にしかなっていない。

 (そんなことは社員ならばすでに知っている!)

 落ちないES 

 小学生の時に出会った野球マンガで、他人の何倍も努力して周囲を牽引する主人公の物語に出会い、努力観や友達観をゆさぶられ、行動の指針も価値観も変わった。

 マンガをつくる側になって、作家とともに読者の価値観を一変させる作品をつくりあげていきたい。

○ 自分のこれまでの人生と、出版を通してやりたいことがつながっている。

○ 自分のこれまでの人生と、出版を通してやりたいことがつながっている。

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出版業界のなかで、その会社を選んだ理由

 ・他の出版社でもできることを書いていないか?

 ・好きな本がある/好きな作家がいる、というだけの理由になっていないか?

 ・明らかな「お門違い」になっていないか?

 落ちるES 

貴社には日本有数の文庫があり、自分もそこのラインナップに長年残るような作品を生み出したい。

× 文庫ならほかの多くの出版社がもっているため、理由にならない。 

 落ちるES 
貴社には新書のレーベルがありますが、実用書の性格の強いものばかりです。もっと広い分野で新書を出すために、政治批判の新書を企画して…

× 新書だからって何でもやれるわけではない。出版社のイメージにしばられるのも良くないが、あまりにもタイプの違う企画ばかり出すとお門違いとされてしまう。

 落ちないES 

 大学生でも手にとりやすい新書という媒体で学問の基礎を伝えることに社会的意義を感じている。学術系に強い他社新書レーベルもいくつかあるが、貴社新書はサブカルチャー等社会事象を正面から論じる際に最も説得力を感じる。メディアが多様化するなか、貴社の現代新書の土壌で時代を切り取っていく本をつくっていきたい。

○ 志望分野を限定しすぎず、なおかつその会社ならではの部分が伝わる。

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入社したらやりたいこと(志望部署・企画)

 ・「それをやったらもう他にやりたいことはありません」になっていないか?

 ・「仕事内容の説明」になっていないか?

 落ちるES 

雑誌を読むことが好きで、ずっと雑誌編集に憧れていたので、編集部を志望します。

×  書いてあるのが志望部門だけではもったいない!

  具体的な企画を一つも書いていないので説得力ゼロ。

 落ちるES 
村上春樹が好きだ。村上氏に、近年流行している「ランニング」を小説のテーマとして、ランニングを通して人生を変えていく中年男性を主人公にした小説を書いてもらいたい。
 落ちるES 

「就活生そのもの」を主人公にしたマンガや小説で自分が満足できるものがない。特に女性を主人公にしたものが少ないので、貴社の○○部門でつくりたい。

× 企画にはなっているが、それが実現したら他に何もやることがなくなるのではないかと心配になる。面接で企画を聞かれてひとつ挙げるぶんには十分な内容だが、これだけでESを埋めるのはもったいない。もっと広い志向を示したい。

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電子書籍部門志望。

電子書籍には無限の可能性がある。その可能性を追求しながら、貴社の豊富なコンテンツを安価に配信するシステムを構築したい。また、中国をはじめアジア諸国に日本のアニメ文化を輸出していきたい。

 落ちるES 

制作・資材部志望。

本は紙によって印象が全く異なることを痛感した。予算ぎりぎりまで、読者が手に取ってくれる完成度の高い装丁をつくっていきたい。

× 一見ちゃんと調べているように見えるが、これは仕事の内容を説明しただけだ。こういうミスは、電子書籍や制作などあまり仕事内容を知らない部門でやりがち。これは、「編集部門にいきたいのは、本を企画・編集したいからです」と言っているようなもの。ESのなかで最もよくやるミスで、それも下手に業界研究をやっている人ほどやりがち。業務内容よりも何をやりたいかを書こう!

 落ちないES 

【集英社・宣伝志望】

貴社では、全雑誌の表紙を『ONE PIECE』がジャックするキャンペーンや、新宿に『メゾン de LEE』を展示されるなど、貴社のブランド力を生かし、積極的なアプローチが行われています。私はその中でも特に、新規事業である『集英社みらい文庫』や『ピンキー文庫』などのプロモーションに関わりたいです。本を読まない若年層に、貴社ならではのコンテンツで活字の魅力を伝えたいです。

○ やりたいことが具体的に分かる上、限定されすぎていない。

○「集英社でなければならないこと」が伝わってくる。

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学生時代、頑張ったこと

 ・出版社でやりたいこととつながる点はあるか?

 ・出版だけに偏った学生生活になっていないか?

 落ちるES 

3年間、ボランティアサークルの幹事として活動し、へき地で高齢者がデジタルツールによって自立できる環境を整えてきました。昨年は被災地で…

× 内容は素晴らしいが、それなら出版社じゃなくて通信会社にでも入ったらどうだ、と思われかねない。

 落ちるES 

同人誌サークルで、神保町の古書店に毎日通い、純文学を書き続け、2年時には賞ももらった。いまでは同人誌アプリで配信もしており、1000ダウンロードを達成し…

× やっていることは出版業には近いかもしれないが「編集じゃなくて作家になれば?」と言われそう。自分の好きなことと、企業のなかでサラリーマンとして本を扱うことは別ものなのに、そのあたりが分かっていないのではないかという印象を受ける。 

 △ 例えば学祭で部誌をより多くの人に読んでもらうために装丁や宣伝などすべてを先頭で仕切った、といった書き方ができれば、評価は高くなりそうだ。 

 落ちないES 

3年間、学園祭実行委員会の企画・宣伝担当の中心として活動しました。1年かけて企画を練り、少ない予算と人員のなかで来場者に楽しんでもらえるような様々なしかけを提案してきました。特に3年時の学園祭では、人脈をたどって有名バンドの○○○やお笑い芸人の●●●をゲストに呼ぶことができ、アンケートでも1位をとることができました

○ 直接的に出版に関係することはやっていないが、どことなく出版に関係する要素(企画を練る、来場者を楽しませる提案)が含まれているので、「だから出版に仕事がしたい」につながり、説得力がある!


 

出版社を受けようと思うと、大学生活をすべて出版関係のサークルで過ごしてきた人が有利だと勘違いしてしまいがちだ。しかし過去の内定者のうち、在学中に本を出したり記者をしたのはたったの数人。むしろ大学生活でどんなことに興味をもっていたか、それはどうしてか、を出版の仕事にからめて説明できるかどうかが大切だ!

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最近読んだ本で面白かったもの(書評)

 ・「ただのあらすじ紹介」になっていないか?

 ・その会社でやりたい部門とつながりはあるか?

 ・ 好きであることが滲みでているか?

 落ちるES 

『日経エンタテインメント!』

 最新の芸能事象を深く鋭い視点で解説している点がとてもよかった。

× 「そりゃあ、そうでしょうね」と言われてしまいそうだ。こんなことは書かなくてもわかる。雑誌の説明ではなく自分の感想を書こう。字数が短い場合は特定の号を挙げてどこに感銘を受けたかを記そう。   

 落ちないES 
『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら 』

高校野球という人気のある分野に、マネジメント論を組み合わせ、それを不況のなか変革が求められる時代にベストタイミングで投入した。また、ブームが到来していたAKB48との早くからの組み合わせ、ビジネス書ながら主婦などにも読みやすい内容と、非常に計算されていたと感じる。ヒットするべくしてヒットした作品だと思う。

 ○ 好きであることが伝わり、なおかつ内容をまとめ、独自の視点がある


 読書量よりも「本をどのような視点から見ているか」が問われていると考えた方が良い。読書量で他の受験者に勝ってもたいして意味はないということだ。それよりも「万人が知っているベストセラーをどのような視点で見たか」「販売戦略をどこまで見抜いたか」など、あなた独自の視点や考えが問われている。書くときにスペースが足りなければ、あらすじ部分から削ろう!

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まとめ

○ ”本が好き”から一歩出た視点と目標が伝わっているか?

○ 出版業界のなかからその出版社を志望する理由が示されているか?

○ これまでの人生経験と志望理由がつながっているか?

○ 「今までの人生経験」から「入社後に活かせる土壌」をもっていることを多少なりとも感じられるか?

 こうした点を示すことができれば「ひとまず一度は面接で会ってみたい」と考えてもらえるだろう。 「落ちるES」にならないよう、「このESを通してなんとなく自分の全体像を掴んでもらえるだろうか? 」「単なる本好きの感想になっていないだろうか? 」など、常に自問しながらESを書いてほしい。

 ESが通過しなければ、内定はおろか面接にすらたどり着けない。 各社たった1回きりのチャンスを逃してしまわないように、細部まで気をつけて仕上げよう! 

 書いたものをひとに見せるのには勇気と思い切りが要ると思うけれど、ぜひ、T.O.P&Mのセミナーに参加して、ESに磨きをかけて欲しい!

 もっと知りたいひとのために…

 ★ES 基本の「き」!(ESの基礎をおさえよう)

 ★作文に挑む!(出版就活でよくある「作文」の書き方)