広告 5分で分かるESの書き方

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3日で30本のESを書く方法

 多くの広告就活生を悩ませる、圧倒的な量のエントリーシート(ES)記入。合計の文字数は2~3000字を超えてしまうことも多々あり、相当の労力がかかります。

 一枚でも十分キツいESですが、たくさんの会社に応募したいのならば、当然それだけ多くの枚数を書く必要があります。30社~50社程度のエントリーは珍しいものではありません。

 

 なじみ深い大学生活に例えるのなら、単位取得のかかったレポート課題を30本要求され、次々に締切がやってくるようなものです。加えて、その多くは手間も時間もかかる「手書き」を要求してきさえします。

 

 こうして考えてみれば、絶望的な気分になってしまいますよね。

 ですが、「諦めてESの数を減らそう」と考えているそこの就活生のあなた。心配ありません。あまりにも膨大な量だからこそ、効率良く数をこなしていく「テクニック」が重要になってくるのです。逆にいえば、この方法さえ掴めば多くの数をこなすことは十分可能です。

 

 では、そのテクニックとはどんなものでしょうか。

「設問を『分類』して、自分の手札をあてはめる」

 これが、これから紹介していくテクニックです。

 

エントリーシートの設問を分類する

 はじめに設問を分類します。ESにある設問は多岐に渡りますが、聞きたいことを突き詰めていけば、大半は「①自己PR」「②志望動機」のいずれかにあたります。どちらでもないものは「③その他」としておきましょう。

 

 例えば、よくある「大学時代にがんばったことは何ですか」というという設問。これは単に大学時代の経験を問いたいのではなく、その経験を通してあなたがどういう人間であり、どういう長所を持っているのかを尋ねていますよね。ですから①にあたります。「尊敬する人は?」「好きな本・映画は?」なども同様です。

 

 また、「この会社に入ったら立てたい企画」は、その人自身が将来的にやりたいことを聞いているという意味で、②に当てはまります。

 

 もちろん、このどちらにも当てはまらない設問もあります。例えば、「今年〇〇業界で流行するものは?」。これは、関連する業界への知識や理解を尋ねている質問ですよね。こういったものが「③その他」になります。

 

つまり、全ての質問は3つに分類できるわけです。

 

エントリーシートの設問に自分の手札をあてはめる

 次にやることは、自分の手札をあてはめることです。

「①自己PR」に分類された設問は、どれも本質的には同じことを聞いています。なので、はじめに一度どんな内容にするか徹底的に考え抜き、手札として持っておきましょう。そうしてしまえば、あとはそれぞれの設問に合った形で表現するだけでいいのです。「②志望動機」も同様となります。

「③その他」については、確かにこのテクニックは通用しません。出会ってしまったその都度考えていくしかないでしょう。しかし、一度考えたものについては、また手札としてストックし、似たものに遭遇したときには対応することができますよね。

 このように、「設問を『分類』して、自分の手札をあてはめていく」作業を行うことで、効率良くESを書いていくことができます。

 

 手札の選び方について、一つポイントがあります。

 それは、「質問の意図」をよく考えることです。自分は正しい手札をあてはめているのか? 聞きたいことに対して本当に答えられているのか? よく考えてみてください。

 

 しかし、何より重要なのは、「強い手札を作る」ことです。どんなにうまく設問を分類し、手札をあてはめていくとしても、元となる手札が弱く説得力のないものだったらESが通るわけがありません。

 

 それでは、手札はどのように作ればいいのでしょうか。

 

自己PRと志望動機の書き方

 まず、自己PRと志望動機は

「メッセージ + エピソード」

 の二つの要素で成り立っています。

 それぞれの要素について見ていきましょう。

 

「メッセージ」とは、相手が本当に聞きたいことに対しての答えであり、自分が伝えたいことそのものです。「これが自分のメッセージだ!」と意気揚々と書き始める前に、三つのことに気をつけてください。①簡潔であること。②最初に言うこと。③自分の言葉であること。この三つです。

 

 ①・②については見た通りですが、難しいのは③の「自分の言葉であること」ですね。

これは、テクニック論的に言うのならば「他者との差別化を図る」ということです。例えば、あなたが「私はリーダーシップがある人間です」だとか「責任感がある人間です」という主張をメッセージに選んだとして、それが本当にあなた自身の言葉であると言えるでしょうか。

 

 さらに言えば、③は単なるテクニックではなく、あなたにとってのメッセージの「質」のためでもあります。というのも、「自分の言葉である」というのは「あなた自身が、それがあなた(のやりたいこと)であると心の底から納得できる」=「“ハラオチ”する」ということだからです。

 

 次に「エピソード」についてです。これは過去の経験のことで、メッセージを補完し説得力を持たせるという役割を担っています。そのためには、いくつかのルールがあります。それは、①大学での(最近の)経験であること。②読んでいて鮮やかな映像が浮かぶものであること。③ストーリー性がある感動できること。この三つです。

 

 また、具体的な数値を記入すると説得力を持たせやすいです。「私は陸上部の練習のため毎日走り込みを行いました」より、「毎朝晩に5kmの走り込みを行いました」という方が説得力を持つのは当たり前のことですよね。

 

 要素について分析していったところで、これらをどのように準備していくのかについて考えていきましょう。

 

自己PRと志望動機に込めるメッセージの見つけ方

 基本的なやり方は、「過去を振り返って、メッセージを見つける」ことです。

 やりがちな間違いは、「コミュニケーション能力があると言おう!」「投資に興味があるってカッコいい!」というように、言いたいメッセージを根拠なく決めてしまい、逆算してエピソードをひねり出すことです。

 これをしてしまうと、あなたの「手札」は一気に価値を失います。何より、偽りのあなたを「いい」と言ってくれる企業に入社できたとしても、あとから辛くなりますよ。

 

「そうは言っても、伝えたいメッセージなんてないし……」と、諦めることはありません。

 積み重ねてきたたくさんの経験が、今いるあなたを作ってきました。そうである以上必ず、過去を振り返り、たくさんのエピソードの中の共通点を探すことで、「自分とはどういう人間なのか」「本当にやりたいことは何なのか」が見つかるはずです。

 

 では、そうして自分の過去を思い返しメッセージを見つけるのには、具体的にどうすればいいのでしょう。

  ひとことで言ってしまえば、やり方は人それぞれです。

 例をあげるとすると、①自分で過去のあることについて作文を書く。②仲間と共に、当時の考えや感じたことを語り合う。③思いついたメッセージに「なぜ?」を繰り返して突き詰める、こうした方法があります。

「書くこと」「話すこと」この二つが主だった武器です。これらを使って様々な方法を試す中で、自分に合っていると思えるものを見つけてください。そしてそれをやり抜きましょう。

 

 出てきた考えは、もちろん全てが「使える」ものではありません。「これいいんじゃない?」と思いついたものが、誰かには否定されることもあるでしょう。しかし、その繰り返しによって思考の「量」を積み重ねる中で、出来上がったものの「質」は必ず向上します。

 たまたま閃いた人が勝ちなのではありません。信じて積み重ねていけば、きっと見えてくるものがあるでしょう。

 

まとめ・終わりに

「3日で30本のESを書く方法」として、「設問をはじめに三種類に分類し、手札をあてはめる」こと、さらにその手札である「自己PR・志望動機の作り方」、それらに込める「メッセージの見つけ方」をご紹介してきました。

 

 重要な点をまとめると、

①設問は「自己PR」「志望動機」「その他」に分類できる。

②設問の意図を考えながら、分類したものに手持ちの手札をあてはめる。

③「自己PR」と「志望動機」は、「メッセージ+エピソード」で作る。

④「メッセージ」は、過去の経験を振り返る中で見つける。

 以上になります。

「3日で30本のESを書く方法」は、お分かりいただけたでしょうか。

 

 最後に、ESを書く上で一点だけ意識してほしいことがあります。それは、どこかで必ず「未来に対する夢を語ること」です。

 

 就活に追われている中では忘れがちですが、入社がゴールなわけではありません。あくまでスタート地点に立っただけです。理想はその先にあるはずです。

 想像してみてください。ESを評価するのは、企業に勤めるプロの人々。そんな人たちに対して、社会の吸いも甘いも知らない学生であるあなたが武器にできるものはなんでしょうか?

 

 それは、学生だから持ちえる「輝き」です。学生だからこそ追える夢や理想を語ることで、心を動かすことに繋がるはずです。あまりにも現実味のないものではいけませんが、ぜひ、未来に抱いている素直な理想を語ってほしいと思います。