【19卒向けNo.5】新しい出版の形〜出版×デジタル〜

 

こんにちは!T.O.P&M内定者スタッフのミレーです。いよいよ就活本番が近づいてきましたね。今日は、出版業界志望者がもはや避けては通れない「出版デジタル化問題」についてお話しようと思います!あくまで一学生の意見なので、ふ〜んという程度に読んでくださいね!(笑)

「10年後の出版業界はどうなっていると考えるか」などの設問はESや面接でも頻出です。デジタル関連の知識も取り入れて、ぜひ自分なりの意見を持っておきましょう!

 

【今日のトピックス】

1. 出版はハードを変えれば生き残れるんじゃないか説

2. IT企業に比べて、出版社の何が優位性なのか

3. この辺の情報をどうキャッチするのか

 

1.出版はハードを変えれば生き残れるんじゃないか説

 

はい。日和って、「説」とか書いているけど、出版業界にいる人は多分みんなこう思っています。

テレビがオンライン動画サービスにとって代わられているように、出版も、その舞台を紙からWEBへと移しています。特に電子コミックの成長は目覚ましく、多くの出版社が電子書籍やWEBメディア事業の部署に人とお金を投入しています。

 

「斜陽産業」と言われる通り、出版業界の売上高は年々減少傾向にあります。多くの方が1996年あたりをピークに、ジェットコースターのように右肩下がっていくグラフを見たことあるんじゃないでしょうか。あれが現状です。

さらに出版が右肩下がっていくのに反比例して、キュレーションメディアなどを代表するWEBサービスが台頭してきました。キュレーションメディアとはなんぞや、という質問はGoo●le先生に聞いてください。

 

そして、トランプ大統領にまつわるフェイクニュースや、キュレーションメディアの相次ぐ閉鎖事件などを通して浮き彫りになってきたのが、一億人総物書き時代の「情報の信頼性低下問題」ということになります。SNSなどのおかげで、世界中の人が発信する力を持つようになりました。ですがそこには多くの嘘も混じっています。このあたりが、キュレーションメディア事件などの文脈で使われる「ポスト真実」の問題点です。この問題を考えるのにおすすめの記事がこちら(https://wired.jp/2017/01/03/needs-dont-matter/)です。とっても面白いのでぜひ読んでみてください!

 

さて、そんな問題が浮き彫りになっていく中で、多くの消費者が「おやおや…やっぱり信頼できる情報やコンテンツを、有料でも信頼できる機関から得たいぞ…」ということに気づいてきたわけです。さらにGoo●leが、検索順位のアルゴリズムを改良しました。どう変えたかというと、コピペ記事や大量の広告を掲載しているページが検索上位に上がらないようにしたのです。キュレーションメディアを狙いうちするかのような変更に、当時WEB業界は騒然となりました。

 

こうした一連の変化が起きる前は、正直「出版社の多くは、WEB化の波に飲まれ撃沈するんでしょ」というようなムードだったと思います(定かではない)。しかし、WEBでもコンテンツの質が大事だね、となったことで出版のデジタル化に追い風が吹きます。なんたって、出版社はコンテンツ制作のプロです。SEOはよくわからなくても、面白くて良質なコンテンツを山と持っているのが出版社なのです。

そうした追い風の中で、「テキストコンテンツも、漫画も、まだまだ戦える。入れ物(つまりハード)を紙からWEBへ移せばいい」と考える出版人が増えてきました。そしてその考えは、現実のものとなりつつあります。

 

2.IT企業に比べて、出版社の何が優位性なのか。

 

上でほとんど答えを書いちゃっていますが、そうです。良質なコンテンツを作るという観点では、出版社はIT企業にまだまだ負けていないと、私は思います!また、WEBは1記事あたりにかけられるコストが紙に比べると圧倒的に小さい傾向にありますが(というのも1PVあたりの収入が少ない)、出版社にはコストをかけずとも使える良質なアーカイブコンテンツが多々残っています。このあたりを活用したWEBコンテンツの制作に各社乗り出しているというのが、昨今の出版事情と言えるでしょう。

一方で、IT企業に比べると出版社は定量的なデータを使うのが苦手な傾向にあると言われています。こういった弱点をどう乗り越えていくかが、今後の課題になっていくのではないでしょうか。

もっと言うと、出版社と印刷会社の関係性のように、出版社とIT企業は共生していけるかもしれません。出版社が良質なコンテンツを制作し、IT企業がそれを読者のもとへ届ける、と役割を分担する形です。それがまさに、小学館とDeNAがやろうとしていることであり、Yahoo!ニュースが成功している理由でもあります。

 

ここまでWEBへの転換についてお話しましたが、じゃあ紙がオワコンなのかというと、そうではないと思います。今後、紙は「物としての価値」が高いものが増えていくのではないか……ということが言われています。装丁が凝っていたり、カレンダーが付いていたり。情報としての価値以上に、思わず部屋に置いておきたくなる、持っていたくなる世界観のある本など、物質としての価値の高い本が生き残っていくのではないでしょうか。

と色々話してしまいましたが、就活生が特に考えるべきは、「出版ビジネスが大きく変化していく中で自分はどういう力を発揮できるのか」ということです。会社が今後伸ばしていきたい事業で、役に立てる人材であることをアピールできると、より良いかもしれませんね!

 

3. この辺の情報をどうキャッチするのか

 

「出版今後どうなっていくの論」は、インターネットでも盛んに意見交換されています。講談社出身の伝説的な編集者・佐渡島庸平さんのインタビューは、よくこの問題に触れているので、検索して読んでみてください!

あとは、とにかくTwitterを監視するのがおすすめです!フリーの編集者などで、Twitterを頻繁に更新している方は結構多いので、フォローしてみてはいかがでしょうか。さらに、メディアでよく目にするようなTwitter上の重要人物はフォローしておいて損はないと思います。私自身、ある会社の作文課題で、炎上していたツイートを例にあげたことがあります。

そして何より、様々なWEBコンテンツに触れて、それぞれの違いや良さを肌で感じることが大切です。自分の体験や価値観を振り返って、自身はどんなコンテンツを作る人間になりたいのか、考えてみましょう。そしてその熱い想いを面接でぶつけましょう!!

一歩視点を変えて、それら様々なWEBコンテンツがどのようにお金を生み出しているのか、に注目してみるのも面白いかもしれませんね。

 

出版社を目指す就活生の中には、「紙の質感や匂いが好きだ」という人が多いと思います。私もです、紙大好きです。ですが、紙だけでは勝負できなくなってきたというのもまた事実。出版の未来を担っていきたいと思っている以上、デジタルとの付き合い方はきちんと考えていきたいですよね!T.O.P&Mでは、出版社のデジタル部門に勤める方々をゲストにお迎えしたイベントの開催を予定しています。興味の湧いた方はぜひそちらにも参加してみてください!

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